破産をするということは、自分(社長)が長年にわたって作りあげてきた会社をなくすことですし、取引先や従業員にも大きな迷惑をかけることになります。

たとえば、取引先は貴社に対する売掛金を回収できなくなり、貴社が破産したことによって取引先も破産する(連鎖倒産)ということにもなりかねません。

また、従業員は急に職を失うことになり、明日からの生活にも支障をきたすことにもなります。

取引先や従業員から、厳しく非難されることも覚悟しなければなりません。

しかし、赤字の状態が続き、資金繰りが厳しくなっているのですから、何もしないでずるずると経営を続けて行けば、とこかで資金繰りができなくなり、夜逃げをしなければならなくなってしまいます。

支払いができなくなって、ある日、突然社長がいなくなってしまったという話もよく聞きますが、このような場合、取引先、従業員は、「社長は、お金を持って逃げてしまったのではないか」と疑いますし、社長がいなくなってしまってどうしてよいか分からず、大混乱に陥ることになり、取引先、従業員にかける迷惑は非常に大きなものがあります。社長は、一生、取引先や従業員に会うことができなくなります。

また、資金繰りのために、サラ金、ヤミ金から借金し、それでも資金繰りがつかなくなった時には、お金を貸しているのはヤミ金ばかりで、ヤミ金の数が30社に上ったという例もあります。

さらに、「5000万円のお金を貸すから、まずは500万円の保証金を振り込んでほしい」という話に騙され、なんとかお金をかき集めて500万円を振り込んだものの、まったく融資を受けることができなかったという話もあります。

また、資金繰りができなくなるまで、経営を続けてしまうと、弁護士に依頼しようにも、弁護士費用、裁判所に予納する予納金の準備ができず、何の手続も取れなくなってしまいます。

会社をなくすることに、大きなストレス(場合によっては自殺したくなるようなストレス)を感じることは社長として当然なのですが、会社の資金に多少の余裕があるうちに、弁護士に相談することが大切です。

仮に、手元に資金、預貯金がほとんどない場合でも、通常は未回収の売掛金がありますので、この売掛金を回収することにより、弁護士費用、裁判所に対する予納金に充てることができる場合が多いと思います。

この売掛金まで回収して、会社の運転資金に回してしまったのでは、後に何ともできなくなります。

なお、弁護士にも、会社破産の業務に慣れている弁護士と、ほとんどやったことがない弁護士がいます。また、同じ会社破産と言っても、社長と家族数人でやっている会社、あるいはこの何年か業務を行っていない会社と、従業員が50人おり、取引先の数も50社あって、日々業務を行っている会社とでは、同じ会社破産といっても、やることも、かかる手間もまったく違ってきます。後者の会社破産を扱うためには、弁護士が多数いる法律事務所でないと難しいと思います。

弁護士に依頼して会社の整理(破産)をするのは、大変大きな勇気がいると思いますが、多少の余裕があるうちに決断をすることが非常に大事です。

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法人破産に関するQ&A一覧

No Q&A
1 毎日資金繰りに追われ、夜も眠れません。会社を整理するしかないと思っていますが、どのようにすればよいのでしょうか。
2 破産をするかどうかどうしても決断がつきません。
3 弁護士に破産手続きを依頼した場合、弁護士はどのようなことを行うのですか。また、弁護士に依頼した場合のメリットはどのようなものでしょうか。
4 会社が破産した場合、私が個人で持っている自宅、預貯金、その他の資産はどのようになるのでしょうか。妻が持っている資産についてはどうでしょうか。また、私個人も破産する必要があるのでしょうか。
5 破産手続きをしている間は、他に仕事をすることができないのでしょうか
6 破産をした場合、取引先が会社に押し掛けてくるようなことはないのでしょうか。この場合どうしたらよいでしょうか。取引先が納品した品物が会社内にある場合の対応、リース会社に対する対応などについても教えてください
7 破産をすれば、従業員は解雇せざるを得ないと思いますが、従業員にはどのように対処したらよいでしょうか。未払い給与、解雇予告手当の支払い、社会保険関係の処理について教えてください。また、従業員の私物はどうしたらよいでしょうか
8 労働者健康福祉機構というところが、未払い給与などの立替払いをしてくれるとのことですが、詳しい内容について教えてください
9 破産をすると、どのように手続きが進むことになるのでしょうか。また、破産手続きが終了するまでどの位の時間がかかりますか。(A.裁判手続が開始する前)
10 破産をすると、どのように手続きが進むことになるのでしょうか。また、破産手続きが終了するまでどの位の時間がかかりますか。(B.裁判手続が開始した後)
11 会社が破産する場合、取引先には迷惑をかけたくないので、事前に話をしておきたいのですが。
  また、支払いをしないと倒産しかねない取引先があり、ここには支払いしたいのですが、どうでしょうか
12 会社には、機械類、在庫、土地建物などの資産がありますが、会社が破産をした場合、これらはどうなるのでしょうか。会社の機械類を使って、新たに商売をしたいのですが、このようなことは可能でしょうか。
  また、土地建物について、買いたいという人がいるので売ってしまってよいでしょうか。売却価格が適正なら問題がないでしょうか。
13 会社が破産した場合、会社が賃貸していた建物はどうなるでしょうか。反対に、会社が賃借していた建物はどうなるでしょうか。この他に、敷金・保証金の扱い、借地権についても教えてください。
14 破産をした場合、支払い未了の商品、取引先から預かっていた金型、リース物件、ローン返済中の自動車はどうなるでしょうか
15 破産のために必要な費用としてどのようなものがあるでしょうか。この費用はどのようにして用意したらよいでしょうか
16 取引先Aから、Aが当社に持っている債権について、当社が他社に持っている売掛金を担保に入れるように言われています(債権譲渡担保)。担保に入れることに問題があるでしょうか。会社の売掛金を担保に入れて、新規に融資を受ける場合はどうでしょうか。
また、昨今の不況で業績は悪化し、負債もかなり膨らんでいます。息子が同じ事業を継ぎたいと言ってくれたため、何とか息子のために事業を残したいと考え、息子が代表となる別の新会社に対し、私が経営する会社の事業設備を贈与したり、新会社が負担すべき債務を肩代わりして弁済したいと思っていますが、大丈夫でしょうか
17 破産をした場合、いろいろ制限があり、郵便物が破産管財人のところに行ったり、旅行をするにも許可が必要ということ聞きました。また、就職するにも制限があるようですが、制限の内容はどのようなものでしょうか。取締役にはなれるのでしょうか
18 会社が破産することになりましたが、会社のいくつかの事業の中で、利益をあげている部門があるので、社員のためにも、この事業だけは継続したいと思っています。このようなことは可能でしょうか
19 会社が破産する場合、係争中の訴訟はどうなりますか。法人税や消費税の申告をする必要はあるでしょうか。財産を隠したり、虚偽の報告をするとどうなりますか
20 法人破産をした具体例について知りたいのですが、事例があったら教えてもらいないでしょうか