破産手続の流れは下記のとおりです。

(1) ご相談

会社の社長などにご来所いただき、弁護士が、会社の経営状態、資産・負債の内容をお聞きするとともに、どのような手続を取るのがよいのかのアドバイスを行います。

この時、社長だけでもやむを得ないのですが、できれば経理担当の方にいっしょに来てもらい、会社の資産・負債の状況、ここ数年の損益の状況について、具体的に説明していただくとよいと思います。

(2) 打合わせ

どのような手続きを取るのか検討の結果、会社破産の手続を取るとなった場合、次に打合わせを行います。

貸借対照表・損益計算書、資産目録、債権者・債務者一覧表、不動産登記簿謄本、賃貸借契約書、預貯金通帳、法人印鑑・ゴム印などをご持参いただき、弁護士が、社長、経理担当者の方などと詳しい打合せを行います。

また、裁判所に提出する委任状、当事務所にご依頼いただく場合の委任契約書を作成します。

(3) 現地の調査・従業員に対する説明

弁護士が社長とともに、本社、営業所、工場などに出向き、現地の状況を調査するとともに、弁護士が受任した旨の公示書を貼ります。

また、従業員に対して、破産申立てに至った理由、会社の資産・負債の状況を説明し、在庫などの資産や帳簿類の保全への協力、破産管財人への協力を要請します。

従業員の一番の関心事は未払い給与・退職金の支払い、健康保険の切り替え、年金の処理、失業保険受給関係(離職票の発行など)ですから、これらの取り扱いについても、きちんと説明します。

また、これらについては、会社の経理担当者あるいは社会保険労務士の方に書類を作ってもらうことが必要です。

弁護士は、この書類作成の段取りについても考えておくことが必要です。

従業員はこの時点で解雇します。

また、事業についてもこの時点でストップし、本社、営業所、工場などについては、鍵をかけるなどして、債権者、従業員などが入ることができないようにします。

なお、従業員の私物については返還する必要があるので、私物をもって帰るように促します。

(4) 受任通知の発送

その後、債権者に対し、弁護士が会社の整理を受任した旨の通知を出します。また、債権届出用紙も同封して、債権届をしてもらいます。

また、従業員に対しても、債権者同様に、債権届(未払い賃料、退職金など)をしてもらいます。

これ以後は、弁護士が債権者、従業員との対応をすることになります。

(5) 債権者、従業員に対する対応

債権者からは、破産に至った経過、会社の資産・負債の状況、どのような手続を取るのか、配当の見込み、債権届出書の書き方などについて問い合わせがありますので、弁護士はこれに対応します。

また、従業員からも、未払い給与・退職金が支払われる見込み、健康保険の切り替え、年金の処理、失業保険受給関係(離職票の発行など)、債権届出書の書き方などについて問い合わせがありますので、弁護士はこれに対応します。

(6) 打合わせ

上記と並行して弁護士は、社長、経理担当者などと打合わせをし、また、必要書類を揃えて、裁判所に提出する破産申立書を作成します。

破産申立はできるだけ早く行う必要がありますので(破産申立てが遅れると、債権者・従業員が本当に破産申立をするのか疑心暗鬼になり、騒ぎが大きくなってしまいます)、完全な申立書を作成するというのではなく、不完全な部分があってもよいですし、破産申立書の体裁がある程度悪くてもよいですから、必要な部分についてはきちんと記載され、必要な書類もそろっているものを早急に作成し、裁判所に対して破産申立を行います。

(7) リース物件の返還、賃借物件の明渡し

リース物件がある場合はリース会社に返還します。返還のための日時をリース会社と決め、返還の際は、弁護士、社長、従業員などが立ち会います。

賃借物件がある場合は、可能であれば破産開始決定前に明渡しを行います。物件内にあるもの(機械、在庫など)をきれいにした上で明渡さなければなりませんから、多くの場合は、破産管財人に引き継がざるを得ないことが多いと思います。

(8) 弁護士の数

以上のことは1人の弁護士ではとても対応できません。

法律事務所に相談に来た時点で、まだ事業を継続しており、従業員が数十人いるような会社が破産をする場合は、3~4人の弁護士がチームを組んであたることが必須と言ってよいと思います。

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法人破産に関するQ&A一覧

No Q&A
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2 破産をするかどうかどうしても決断がつきません。
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